◆デンマーク全国のデータを解析
デンマークの研究班が、デンマーク全国の診療データベースから、1994年から2012年の間にはじめて帯状疱疹と診断された人の割合を解析しました。
年齢別の頻度、入院期間、帯状疱疹と同時に起こっていた病気などが調査されました。
◆50歳以降で急激に増加
次の結果が得られました。
診断率は50歳から90歳以上までの間でほとんど指数関数的に、100,000人年あたり6例から91.9例まで増加した。
0歳から9歳では年間に10万人あたり3.9件の帯状疱疹が発生していました。この頻度は、40歳から49歳では6.0件でしたが、それより上の年齢では高齢ほど急激に多くなり、90歳以上では91.9件でした。
帯状疱疹が入院の主な理由だった入院患者で、入院期間の中央値は4日(四分位間範囲1-8日)だった。
帯状疱疹を主な理由として入院した人の多くは4日前後入院していました。
免疫の調節異常をともなう併存症、たとえば悪性疾患(21%)や自己免疫疾患(17%)は特に多く見られた。30%には神経学的、眼科的、またはその他の合併症があった。
帯状疱疹とともに、がんや自己免疫疾患など、免疫の異常をともなう病気も同時に起こっている場合が多く見られました。帯状疱疹によると見られる神経症状や目の症状などが多く報告されていました。
国によって感染した人の多さや医療環境が違うため、細かい数字は変わると考えられますが、加齢とともに多くなる点などはよく知られています。帯状疱疹がどんな場合によく起こるかの参考になるかもしれません。
執筆者
Hospital-based herpes zoster diagnoses in Denmark: rate, patient characteristics, and all-cause mortality.
BMC Infect Dis. 2016 Mar 1.
[PMID: 26932311]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。