2015.12.04 | ニュース

水ぶくれと激しい痛みの出る「帯状疱疹」は脳卒中の警報か!?

スウェーデン13,269人をデータ解析

from BMC infectious diseases

水ぶくれと激しい痛みの出る「帯状疱疹」は脳卒中の警報か!? の写真

帯状疱疹は、免疫力が落ちた時に現れやすい発疹で、痛みを伴います。これまで、水痘帯状疱疹ウイルスが血管内で炎症を起こすと脳卒中を発症する危険性が高くなる可能性が言われてきました。今回の研究では、実際の発症数でその関連性を検証しました。

◆帯状疱疹と脳卒中の関係は?

今回の研究では、スウェーデンのある地域の統計をもとに、帯状疱疹と診断された13,269人と、帯状疱疹のない人を比較することで、帯状疱疹とほかの病気との関連性を検証しました。

 

◆帯状疱疹を発症すると、その後に脳卒中を発症する確率は高くなる

以下の結果が得られました。

一般の人と比較して、年齢および性別で調整した心血管疾患、脳卒中、敗血症の発症率比はすべて有意に上昇した。

帯状疱疹を発症した人では、その後に脳卒中を発症する可能性が1.3倍程度高くなるという結果でした。

 

帯状疱疹と脳卒中がなぜ関連するかについて、そのメカニズムは不明です。しかし、もしこの関連性が因果関係を反映しているとすれば、帯状疱疹を治療することで脳卒中を防ぐことができるかもしれませんので、今後の研究に期待します。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Incidence of herpes zoster and associated events including stroke-a population-based cohort study.

BMC Infect Dis. 2015 Oct 31

[PMID: 26520060]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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