反復経頭蓋磁気刺激(TMS)は、磁気を用いて頭皮上から脳を反復して刺激することで、脳の活動を変化させることができる手法です。高い周波数で行うと脳活動を促進(高頻度)、低い周波数で行うと脳活動を抑制(低頻度)することが知られています。
◆磁気刺激群と偽刺激群にランダムに振り分け
今回の研究は以下の方法で実施されました。
前向き研究は二重盲検法で行われ、患者はランダムに本物の刺激を受ける群(11名)または偽刺激群(8名)に振り分けられた。
対象者は実際に刺激を行う群と、偽の刺激を行う群に振り分けられ、刺激の前後でレストレスレッグス症候群の症状に関する評価を受けました。
◆磁気刺激を行うとむずむず脚症候群の症状が改善
調査の結果、以下のことを報告しました。
5、10回目のセッション後において、本物の刺激群(n=11)と偽刺激群(n=8)の間にIRLSスコアに統計的な有意差が認められた。
本物の刺激を行うと、IRLS-RSスコアが有意に改善したが、偽刺激では影響がなかった。
磁気刺激を行うと、むずむず脚症候群の症状が改善したという結果でした。
筆者らは、「結論として、この手法は安全かつ非侵襲的であり、この予備的調査の結果は、反復経頭蓋磁気刺激がむずむず脚症候群の治療として有用な可能性があり、大規模調査で検証する必要があることを支持するかもしれない」と結論づけています。
むずむず脚症候群は、人口の1〜4%に見られる病気と言われ、神経系に原因があると考えられています。今回試された脳刺激は、その神経系に作用する方法であり、治療法に加わることができるかどうか、今後の検証が待たれます。
執筆者
Repetitive transcranial magnetic stimulation in restless legs syndrome: preliminary results.
Neurol Sci. 2014 Jul
[PMID: 24487701]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。