2017.11.05 | ニュース

両方の鼻に磁石が入り、引き合って取れなくなった11歳男子

キプロスから症例報告

from The New England Journal of Medicine

両方の鼻に磁石が入り、引き合って取れなくなった11歳男子の写真

鼻に異物が入ることは子供にはよくあります。耳鼻科などですぐに取り除けることが多いですが、入ったものによっては危険性もあります。磁石が入って取れなくなった子供の例が報告されました。

両側鼻腔に磁石が入った11歳男子の例

キプロスの首都ニコシアの医師2人が、11歳の男の子で両方の鼻腔(鼻の穴)にボタン型磁石が入った例とそのレントゲンX線(放射線)を使って、体の中の状態を簡易的に調べる画像検査写真を、医学誌『The New England Journal of Medicine』に報告しました。

この男の子は、自分で鼻の穴に磁石を入れてしまい、6時間後に救急搬送されました。鼻血と激しい痛みがありました。

顔のレントゲン写真を撮影したところ、2個の丸いボタン型磁石が鼻中隔(左右の鼻腔を隔てている部分)を挟んで引き合い固定されている様子が写りました。

 

全身麻酔で除去

磁石が鼻中隔を圧迫していて、鼻中隔に穴が開くなどの恐れが考えられたため、緊急に除去が試みられました。

しかし、磁石は強力に引き合っていたため救急部では取り出せませんでした。

男の子は手術室に運ばれ、全身麻酔局所麻酔に対して、眠って意識が完全になくなってしまう麻酔のこと。寝ている間は呼吸が止まってしまうため人工呼吸器を使用する必要があるの上で、家庭用磁石を両側から当てることによって磁石を取り除かれました。磁石の圧迫により、鼻中隔の粘膜だけでなく中にある軟骨関節で骨同士が直接こすれないように、骨の表面についている組織。衝撃を吸収したり、関節が滑らかに動くのに必要までが傷付いていました。傷跡の表面を覆う処置がなされました。

6か月後の診察では治っていました

 

鼻の異物に注意

両側の鼻に磁石が入った例を紹介しました。鼻にものが入ることは子供を中心によくあります。ボタン電池などが入った場合は特に注意を要すると考えられます。

日本でも同じように両側に磁石が入った例や、それによって鼻中隔に穴が開いてしまった例が報告されています

小さい子供の手が届くところに置かないなど、鼻に入る(口や耳にも入る)大きさのものは取扱いに気を付けるとともに、もしもの時には耳鼻科などで相談してください。

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

Button Magnets in the Nasal Cavity.

N Engl J Med. 2017 Oct 26.

[PMID: 29069553] http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm1708934

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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