2017.08.12 | ニュース

妊娠糖尿病で血糖値を測るのは1日おきでもいい?

293人の妊婦で比較

from Obstetrics and gynecology

妊娠糖尿病で血糖値を測るのは1日おきでもいい?の写真

妊娠糖尿病は胎児に影響を与える恐れがあり、血糖値をこまめに測定しながら管理する場合があります。自己測定は生活の負担にもなります。測定を毎日ではなく1日おきにして変化がないかが試されました。

アメリカの研究班が、妊娠糖尿病のある女性を対象に、毎日4回血糖血液中のブドウ糖のこと。人が活動するためのエネルギー源。血液中の濃度を血糖値といい、糖尿病の診断に用いられる値測定を行う場合と、1日おきに4回の血糖値測定を行う場合とで違いがないかを調べ、専門誌『Obstetrics & Gynecology』に報告しました。

 

妊娠糖尿病は、妊娠中にある基準を超えて血糖値が高い状態が続いていることです。

妊娠糖尿病糖尿病ではありません。しかし、妊娠糖尿病によって赤ちゃんがお腹の中で大きくなりすぎたり、生まれてすぐに低血糖を起こしたりする恐れがあります。また、産後に母親が糖尿病になる場合もあります。

重度の妊娠糖尿病インスリン膵臓から出る、血糖値を下げる方向に働くホルモン。インスリンの欠乏や作用不足が糖尿病の原因となる注射などの治療が必要とされる場合があります。

 

この研究は、妊娠糖尿病と診断され、治療を要する高血糖血糖値が高い状態。いくつ以上が高血糖という基準はないが、糖尿病にかかっている人は血糖値が高くなりがちである状態がない女性が対象となりました。293人の女性が参加し、ランダムに2グループに分けられました。

  • 毎日4回の血糖値測定を行うグループ
  • 1日おきに4回の血糖値測定を行うグループ

グループごとに、生まれた子供の出生時体重などが比較されました。

 

次の結果が得られました。

2群の間で、薬物治療の必要、分娩誘発、分娩時の妊娠週数、分娩様式、妊娠高血圧腎症の率、肩甲難産に有意データを分析して導かれた結果が、偶然として説明できる確率は低いとみなされることな差はなかった。

毎日測定しても、1日おきに測定しても、薬物治療が必要になった人の数や肩甲難産(子供の肩が引っかかって産道から出られない状態)などの数には、統計的に違いが確かめられませんでした

出生時体重にも統計的に差がありませんでした。

 

妊娠糖尿病に対して血糖値測定は1日おきでも子供の出生時体重などに差がなかったとする報告を紹介しました。

測定の回数を問題なく減らせるなら、妊娠生活を楽にすることにもつながるかもしれません。

実際にはひとりひとりの状態に応じて必要と思われた血糖値の管理方法が選ばれます。すでに毎日測定を指示されている人が自己判断で測定を省くことは危険ですのでやめてください。

ただ、どの程度が「必要」なのかは医学の進歩とともに変わっていく可能性があります。個々の患者や医師に委ねられている部分も大きくあります。もし治療の中で生活に大きな負担を感じるようなことがあれば、主治医に相談して違う方法を考えることもできるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

Gestational Diabetes Mellitus and Frequency of Blood Glucose Monitoring: A Randomized Controlled Trial.

Obstet Gynecol. 2017 Jul.

[PMID: 28594772]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。