抗めまい薬ベタヒスチンでグルグル回るめまいが改善

目の前がグルグル回転するように感じる「回転性めまい」の症状は、メニエール病や突発性難聴などで現れます。ベタヒスチンは代表的な治療薬です。これまでの研究報告をまとめた結果、ベタヒスチンで改善していた証拠となるデータが得られました。
◆ベタヒスチンの効果はデータに現れているか?
ベタヒスチンは抗めまい薬と呼ばれる種類の薬で、日本でも処方されているメリスロン®などの主成分です。副作用として吐き気・嘔吐などが知られていますが、頻度は多くはありません。
ここで紹介する研究は、回転性めまいに対してベタヒスチンの効果を調べた研究からこれまでにどのような結果が出ているかを調べ、データをまとめたものです。
研究班は2015年9月時点で文献データベースを検索し、関係する研究報告を集めました。
◆めまい軽減、副作用は?
次の結果が得られました。
プールしたデータから、めまい症状の全体での減少を申告した患者の割合は、偽薬のグループよりもベタヒスチンで治療されたグループのほうが高かったことが示された(リスク比1.30、95%信頼区間1.05-1.60、606人の参加者、11件の研究)[...]偽薬群とベタヒスチン群で有害事象の頻度に差はなかった[...]。
ベタヒスチンを使った人は、有効成分のない偽薬を使った人よりもめまいの症状が軽くなることが多かったというデータが得られました。
副作用について、全体として胃腸症状などが偽薬を使うよりも多いとは言えないというデータがありました。
ベタヒスチンはめまい治療の重要な手段のひとつとして実際に使われています。実際のデータから効果があったことを確認し続けることで、予想外に効果がないなどの事態を減らしていくことにつながります。
執筆者
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。