看護師の胃腸は危険にさらされている!?職業によって違った消化性潰瘍のリスク

胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの消化性潰瘍は、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)などの原因があるほか、ストレスによっても起こりやすくなります。職業ごとに比較したところ、看護師などで一般人口よりも多く発生していたことが報告されました。
◆消化性潰瘍が多い職業は?
ここで紹介する研究は、台湾の医療従事者を対象に、職業ごとに消化性
台湾の診療情報データベースから、50,226人の医師、122,357人の看護師、20,677人の薬剤師、また栄養士・臨床検査技師・
◆看護師、その他が多く薬剤師は少ない
次の結果が得られました。
看護師とその他の医療従事者は一般人口よりも消化性潰瘍症のリスクが
有意 に高かった(看護師でオッズ比1.477、95%信頼区間1.433-1.521、その他の医療従事者でオッズ比1.328、95%信頼区間1.245-1.418)。薬剤師はリスクが低かった(オッズ比0.884、95%信頼区間0.828-0.945)。医師はリスクに有意差がなかった(オッズ比1.029、95%信頼区間0.987-1.072)。
看護師とその他の医療従事者では、台湾の一般人口よりも多く消化性潰瘍が発生していました。薬剤師では消化性潰瘍が少なく、医師は一般人口と同程度でした。
仕事の負担が大きく心理的にもストレスが多い看護師は、消化性潰瘍にも注意が要るのかもしれません。この研究は台湾のデータをもとにしているので、日本とはいくらか状況が違う点もありますが、日本でも看護師は大変な職業です。ひとりひとりが自分の体調やストレスに気を付けるだけでなく、勤務時間や働く環境にも配慮が求められます。
執筆者
Peptic Ulcer Disease in Healthcare Workers: A Nationwide Population-Based Cohort Study.
PLoS One. 2015 Aug 24.
[PMID: 26301861]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。