2016.04.10 | ニュース

脳卒中後の腕の麻痺は電気刺激を行うことで改善する?

発症早期の脳卒中患者45名を対象に検証

from Journal of physical therapy science

脳卒中後の腕の麻痺は電気刺激を行うことで改善する?の写真

脳卒中後の麻痺改善のために様々な治療が研究されており、電気刺激も注目されています。今回は携帯型で皮膚から神経、筋肉を刺激する装置を用いて電気刺激を行うことで麻痺した腕が改善するかを検証した研究を紹介します。

◆麻痺した腕への電気刺激の効果は

発症早期の脳卒中患者45名が対象となりました。対象者は3つのグループに15名ずつランダムに分けられ、12時間の電気刺激+従来のリハビリを受けるグループ、30分の電気刺激+従来のリハビリを受けるグループ、従来のリハビリのみを受けるグループとされました。

リハビリ前後と4週間後の腕の機能を測定し、効果を検証しました。電気刺激には携帯型で皮膚から神経、筋を刺激する電気刺激装置が使用されました。

 

◆12時間の電気刺激を行ったグループにて麻痺が改善

以下の結果が得られました。

12時間の神経筋電気刺激グループでのThe Fugl-Meyer assessmentの遠位(手首-手)成分とAction Research Arm Testの改善は神経筋電気刺激グループよりもさらに有意だった。The Fugl-Meyer assessmentの近位(肩-肘)での2つのグループ間において有意差は見られなかった。

電気刺激+従来のリハビリを行ったグループは従来のリハビリのみののグループよりも手首や手の麻痺が改善しました。しかし、肩や肘の麻痺はどのグループでも同じ程度の改善でした。

 

電気刺激は麻痺を改善させる方法として有効性が示されてきています。今回の研究で示されたように、さらに効果的にするために電気刺激をある程度の時間を行うことや病気になって比較的早い段階から行う方法も研究されつつあります。

執筆者

PT K.S

参考文献

Effects of a 12-hour neuromuscular electrical stimulation treatment program on the recovery of upper extremity function in sub-acute stroke patients: a randomized controlled pilot trial.

J Phys Ther Sci. 2015 Jul.

[PMID: 26311975]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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