2016.04.05 | ニュース

大腸がんの5年生存率、ステージI~ステージIVでどう違う?

2,889人の生存データから
from Cancer epidemiology
大腸がんの5年生存率、ステージI~ステージIVでどう違う?の写真
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大腸がんは早い段階で発見して治療すれば比較的良い結果が得られます。進行していた場合と比べてどれぐらいの違いがあるのでしょうか。最近の統計データが報告されました。

◆2006年から2011年のデータを解析

スペインの研究班が、がん登録のデータの解析を行いました。2006年から2011年に大腸がんと診断された人を対象として、その後の経過と生存期間を調べ、大腸がんの進行の度合い(ステージ)ごとに分けて生存率を計算しました。

 

◆ステージIなら83%

次の結果が得られました。

2,889件の症例が同定され、うち41.7%が女性、58.3%が男性であり、平均年齢は70.5歳だった。

ステージごとの5年生存率は多重代入法ののち有意に変化し、ステージIでは83%、ステージIIでは73%、ステージIIIでは62%、ステージIVでは16%と推定された。

大腸がん患者2,889人のデータが得られました。そのうち女性が41.7%で、全体の平均年齢は70.5歳でした。この集団のデータを解析したところ、ステージごとの5年生存率は次のように計算されました。

  • ステージI:83%
  • ステージII:73%
  • ステージIII:62%
  • ステージIV:16%

 

患者の体質の違いや医療環境の違いによって、日本では多少違うことも考えられますが、最近のデータとしてひとつの目安にできるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Colorectal cancer survival by stage of cases diagnosed in Mallorca, Spain, between 2006 and 2011 and factors associated with survival.

Cancer Epidemiol. 2016 Apr.

[PMID: 26828896]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。