血液のがん「悪性リンパ腫」は16-19歳の体型と関係している?

悪性リンパ腫は、白血球の一種であるリンパ球のがんで、20代でも少数ながら発生します。原因にはウイルスや細菌の感染などがありますが、多くは原因不明です。悪性リンパ腫の一部について、青年期の体型による影響があるかが検討されました。
◆体型と非ホジキンリンパ腫の関係
この研究は、悪性リンパ腫の一部である非ホジキンリンパ腫について、さらに細かい種類ごとに分けて、体型によって発生頻度の違いがあるかを調べました。
対象としてイスラエルの調査データから2,352,988人の情報を取り出しました。16歳から19歳でのBMI(体重÷身長の2乗)と、将来非ホジキンリンパ腫が発生したかどうかについて、統計解析を行いました。
◆肥満体型だと非ホジキンリンパ腫が多い
次の結果が得られました。
青年期の過体重および肥満は、正常体重と比較して非ホジキンリンパ腫のハザード比1.25(95%信頼区間1.13-1.37、P=1.14×10(-5))と関連した。
16歳から19歳でBMIが25以上の肥満体型だった人では、正常体重の人よりも非ホジキンリンパ腫が1.25倍の率で発生していました。特に辺縁帯リンパ腫、原発性皮膚リンパ腫、びまん性大B細胞リンパ腫が肥満体型の人に多い傾向がありました。
研究班は「身体測定値と非ホジキンリンパ腫のリスクが結び付くメカニズムを明らかにするためにさらに進んだ研究が必要である」と述べています。
執筆者
Adolescent weight and height are predictors of specific non-Hodgkin lymphoma subtypes among a cohort of2,352,988 individuals aged 16 to 19 years.
Cancer. 2016 Feb 22. [Epub ahead of print]
[PMID: 26900677]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。