2016.02.10 | ニュース

MERSが治った人の周りはまだ汚染されている

4人の入院中の検査から
from Clinical infectious diseases : an official publication of the Infectious Diseases Society of America
MERSが治った人の周りはまだ汚染されているの写真
(C) waldemarus - Fotolia.com

咳や発熱の症状を起こし、重症では死に至るとされる中東呼吸器症候群(MERS)の原因となるウイルスは韓国やタイでも見つかっています。感染経路は正確にはわかっていません。発病した人の周りにどの程度ウイルスが残っているかが検討されました。

◆患者の周りにMERSウイルスはいるか

研究班は、MERSコロナウイルスに感染し治療中の入院患者4人を対象に、患者がいる部屋の中でウイルスが見つかるかどうかを調べました。ウイルスそのものを培養する方法と、ウイルスが含む主要な物質であるRNAを測る方法でウイルスを探しました。

 

◆5日後まで検出

次の結果が得られました。

MERS患者の部屋は、患者または医療従事者がよく触れる場所を含め、多くの環境表面がMERSコロナウイルスで汚染されていた。ウイルスRNAは、患者の呼吸器検体によるPCRの結果が陽性だった最後の検査から最大5日後まで、環境表面から検出された。

部屋の中では多くの場所からMERSコロナウイルスが見つかりました。患者の検査で最後にウイルスRNAが見つかるよりも遅くまで、部屋の中ではウイルスRNAが見つかりました

研究班は「これらの結果は環境表面の衛生を厳しく実践することと、臨床症状だけよりも検査結果に基づいて十分な隔離期間を設けることの必要を強調する」と結論しています。

 

MERSに特に有効な治療法は見つかっていません。感染した人は中東を中心に最近も新たに見つかっています。感染が広がるのを防ぐために、ウイルスの性質を調べたこうした情報が対策の足がかりになります。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Environmental Contamination and Viral Shedding in MERS Patients During MERS-CoV Outbreak in South Korea.

Clin Infect Dis. 2015 Dec 17. [Epub ahead of print]

[PMID: 26679623]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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