重症感染症 ”MERS” が日本上陸する前に知っておくべきこと

死亡率30%と言われるMERS(マーズ、中東呼吸器症候群)。2012年に世界で初めての患者が報告されて以降、各地で死者を出し続けています。5月27日には、MERS感染者が乗ったアシアナ航空の旅客機が、機内消毒を行わないまま名古屋空港へフライトしていたことも判明しました。韓国で感染が拡大中の現在、日本でも対岸の火事とは言っていられない状況が続いています。
MERSとは、どのような病気なのでしょうか。感染を防ぐために、どのような対策を行えば良いのでしょうか。
MERSは肺や
◆ どのような病気か
主な症状は、発熱、咳、息切れです。患者によってはごく軽症で通常のかぜと間違われることもある一方で、重症化して死に至ることもあります。
糖尿病、肺気腫、各種の
◆ どのように感染するのか
一般的な
一方で、少なくとも濃厚接触によって人から人へ感染することが分かっており、WHO(世界保健機関)では、濃厚接触の例として「患者と同居している」、「医療機関で患者の治療を行っている」ことを挙げています。
2015年6月2日現在で韓国に発生している患者25人は、中東で感染した最初の一人を除き全員が、医療機関における感染とされています。
◆ アジア、中東への旅行は避けるべきか
世界的に有名なCDC(アメリカ疾病予防管理センター)では注意レベルを2とした上で(2015年6月2日現在)、「CDCは、MERSによって旅行先を変更するように勧告することは行っていない」としています。しかし、特にアラビア半島を訪れる場合には、手洗いや、体調不良者との不必要な接触を避けるなど、一般的な注意事項が勧められています。
また、今回の韓国の感染拡大を受けて、注意レベルが変更となる可能性もあるため、渡航予定のある方は常にアップデートされた情報の収集に努めるべきと言えます。
国内では外務省が感染症を含めた海外安全に関する情報を常時更新しています。
◆ MERSに関する、より詳しい情報
最後に、MERSについて症状や感染経路などをまとめた、こちらのページもご覧ください。
執筆者
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。