幼児期の肥満は離乳後のタンパク質摂取量と関係?
幼児期の肥満は将来的に糖尿病やメタボリックシンドロームなどの様々な病気のリスクに関連すると考えられています。幼児の肥満には離乳後の食生活が関連しているかもしれません。今回紹介する研究では、離乳後のタンパク質摂取量が調べられました。
◆ タンパク質摂取が子供にもたらすものとは
幼児期(満1歳から小学校に就学するまでの子供)の肥満が離乳後のたんぱく質摂取量に関係しているかもしれません。
研究チームはイギリスの双子2,154人を対象に追跡調査を行い、離乳後のタンパク質の摂取量を調べるため、3日間の食事記録のアンケートを取りました。そして、体重と身長は、生後から5歳までの間に、3ヶ月ごとに記録されました。記録によるデータを基に幼児期の体重、
◆ 過度のタンパク質摂取が幼児期の肥満リスクに
次の結果が得られました
生後21ヶ月から5歳までのタンパク質からの合計エネルギー摂取量は高いBMI(β=0.043;95%信頼区間:0.011,0.075)と体重(β=0.052;95%信頼区間:0.031,0.074)に関連していた[…]。
離乳後にタンパク質から多くのエネルギーを取った子供は幼児期の体重とBMIが高いということがこの研究結果で分かりました。
エネルギー源としてタンパク質を取ることは炭水化物や脂質よりも健康的な面もあります。しかし、今回紹介した研究の結果によると、健康的だからといって離乳後にタンパク質を取りすぎると、幼児期の太りすぎにつながってしまうかもしれません。
執筆者
Dietary protein intake is associated with body mass index and weight up to 5 y of age in a prospective cohort of twins.
Am J Clin Nutr. 2015 Dec 30. [Epub ahead of print]
[PMID: 26718416]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。