2015.12.30 | コラム

効果的な手洗い、出来てますか?

効果的な手洗い方法の解説
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冬は細菌やウイルスの感染により体調を崩しやすい季節です。一般的に手洗いは感染予防策として有効とされています。でも、効果的な手洗いの方法はご存じでしょうか?医療現場で推奨されている手洗い方法について解説します。

◆なぜ手洗いが必要?

そもそも、なぜ手洗いが必要なのでしょうか。

ウイルス細菌は、咳やくしゃみで空気中に飛んだものを吸い込んで感染する「飛沫(ひまつ)感染」や「飛沫核感染」以外にも、飛んだ病原体(この場合細菌やウイルスなど)が手指や物の表面に付着し、それを手で触り、その手を介して感染する「接触感染」などが原因となり感染します。

接触感染を防ぐ為には、手に付いた病原体が体内に入らないうちに洗い流す必要があります。この手洗いですが、正しく行わないと病原体をしっかり洗い流すことができず、効果的な感染予防にならない可能性があります。そこで、効果的な手洗いの方法を次に解説します。

 

◆正しい手の洗い方

まずは手を洗う前に、時計や指輪などのアクセサリー類を取りましょう。

  1. 手を流水で全体的に濡らす
  2. 洗浄液(石鹸やハンドソープなど)を適量手の平にとる
  3. 手の平と手の平をすり合わせ、まずはよく泡立てる
  4. 手の甲を反対側の手の平でもみ洗う
  5. 4を反対の手で繰り返す
  6. 指と指の間に反対側の指を滑り込ませて指の間をもみ洗う
  7. 親指をもう片方の手の平で包み、もみ洗う
  8. 7を反対の手で繰り返す
  9. 指先を反対側の手の平でもみ洗う(爪の間の汚れを落とすよう意識する)
  10. 8を反対の手で繰り返す
  11. 手首を反対側の手で包み、もみ洗う
  12. 10を反対の手で繰り返す
  13. 流水でよくすすぐ
  14. ペーパータオルやエアタオルなどで水気をよく落とす

下線を引いた部分がポイントで、泡で汚れを浮かせて洗い流し、水分をしっかり取り除いて細菌繁殖を防ぐ、という流れが重要です。また、太字の箇所は洗い忘れが多い部分として強調しました。シワのある部分、隙間のある部分は特に汚れが落ちにくいため、意識して洗うことが重要です。

水気を落とす際には、タオルやハンカチの使用が一般的かもしれませんが、タオルやハンカチは時間が経つと雑菌繁殖の可能性があります。また、複数人で共有する場合にはタオル自体が病原菌の媒体となってしまう可能性があり、できる限りペーパータオルやエアタオルの使用が推奨されます。

近年では、手指消毒薬にて消毒をすることも推奨されていますが、明らかに汚れが付着しているときには、必ず手洗いをしてから手指消毒薬を使用しましょう。

 

◆手洗いすべきタイミング

医療の現場では、「一処置一手洗い」が推奨されています。これは、一つの処置(診察や治療のため患者に触れること)をしたら、次の処置に移る前に手洗いを一回する、という意味です。自らの感染を予防することももちろんですが、自らが感染を媒介する原因にならないようにするという考え方も含まれています。それでは、医療現場以外の日常生活において、特にどんなタイミングで手洗いをするべきなのでしょうか。

  • 帰宅時…病原体は、外出先から持って帰ってくる事が多くあります。電車の手すり、つり革、公衆トイレ、自動販売機、多くの場所が感染経路となりうるため、帰宅時は必ず手洗いをしましょう。
  • トイレの後…トイレには排泄物に含まれる細菌やウイルスなどが付着している可能性が十分にあります。
  • 咳やくしゃみをするときに手で口を覆った後…これは、どちらかというと自分の身を感染から守るというよりも、自分が病原体を広めないようにするという意味合いが強いです。そもそも、咳やくしゃみをする際には必ず手で口を覆いましょう。手で覆わないと、病原菌を周囲にばらまくことになります。自分が感染源を広めてしまう可能性も十分にあることをよく理解しておきましょう。
  • 料理の前・食事の前…食品は口から体内に入ります。その食品に病原体が付着していると感染してしまう可能性が高く、食品に付着するのを未然に防ぐことが重要です。
  • 体液・汚物などを取り扱った後…例えばケガ人の手当てや病人の看病をするなど、血液などの体液、排泄物などを取り扱う作業を行った後は、見た目に付着していなくても手を洗いましょう。手袋をしていても、外した後の手洗いは必ずする必要があります。これは細菌やインフルエンザにとどまらず、他の様々な病気の感染予防として重要な考え方です。

 

◆手洗いの盲点

もしも上記の全てのタイミングで、上記のような方法でしっかり手を洗い続けたとします。感染予防としては非常に効果的であることは間違いありませんが、一つ難点があります。もし何もケアしなければ必ず手が荒れます。手が荒れると、見た目に美しくないことはもちろんですが、あかぎれやひび割れのような傷ができると、その傷口から病原体が体内に入って感染したり、傷口に病原体がとどまり、洗い流しにくくなったりする可能性があります。

手荒れを防ぐ方法をいくつかご紹介します。

  • 熱いお湯で洗わない…熱いお湯で洗うと、手の皮脂が必要以上に洗い流されて皮膚のバリア機能が低下し、乾燥しやすくなります。水か人肌程度のぬるま湯で洗いましょう。
  • ハンドクリーム等を使用する…荒れてしまう前に、ハンドクリームなどで保湿をして手荒れ予防をしましょう。最近では皮膚をバリアする機能のある皮膚保護クリームも市販されています。
  • 睡眠時の手袋…睡眠時に、ハンドクリーム等で保湿をしたうえで綿や絹などの肌に優しい素材の手袋を装着して寝ることにより、皮膚への浸透力や保湿力がアップします。

より効果的に感染予防をするためにも、「手洗いをして保湿をする」という流れを習慣づけましょう。

執筆者

名原 史織

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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