手根管症候群を見つけるにはどのような検査を受けるか?

手根管症候群は、手指の痛み、痺れなどにより手を思うように使えなくなる病気です。手根管症候群の診断には、いくつかの検査があります。今回の研究では、それらの検査の正確性を検証しました。
3つの検査の正確性を比較
今回の研究では、手根管症候群の代表的な検査である、
- 超音波検査:超音波を使って、神経が締め付けられていないかを見る検査
- CTS-6:手根管症候群の特徴的な検査や筋肉の弱さなどについて、視診や触診で行う検査
- 神経伝導検査:神経を電気で刺激して筋肉に伝わる速度を見る検査
すべての検査で良好な結果で、3つの検査の間で差はなし
以下の結果が得られました。
超音波、CTS-6、神経伝導検査の
感度 はそれぞれ、91%(95%信頼区間81%-98%)、95%(95%信頼区間86%-99%)、91%(95%信頼区間81%-97%)であった。超音波、CTS-6、神経伝導検査の
特異度 はそれぞれ、95%(95%信頼区間80%-100%)、91%(95%信頼区間74%-99%)、83%(95%信頼区間66%-95%)であった。
超音波検査、CTS-6、神経伝導検査のどれを使っても、異常が実際にある場合もない場合もともに、90%近くの確率で正しく診断できるという結果でした。
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こうした研究の積み重ねにより、検査の結果をどのくらい考慮して診断するか判断することができます。
【2016/9/6訂正】神経伝導検査の説明に誤りがあるという指摘があり訂正しました。
執筆者
A Comparison of Three Diagnostic Tests for Carpal Tunnel Syndrome Using Latent Class Analysis.
J Bone Joint Surg Am. 2015 Dec 2
[PMID: 26631997]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。