◆小児鍼とは?
鍼治療は、早ければ生後2週間から適応であると言われています(個人差があります)。しかし、針状のものを体内に挿入することは恐怖心を与えたり、刺激が強すぎる場合も多くあるため、小児に対しては刺激の少ない鍼を用いられます。いわゆる刺す鍼ではなく、皮膚をさすったり圧迫したりする道具を用いた治療法で、これを小児鍼と呼びます。小児鍼に用いられる道具の一部を紹介します。
◆小児鍼に用いられる鍼
- いちょう鍼: いちょう型のヘラのようなもので皮膚表面を押したりさすったりする。
- ローラー鍼(車鍼): 表面に突起が数個ついた小さいローラーの形状で、皮膚の上をコロコロと転がして刺激する。
- 集毛鍼(しゅうもうしん): 先端に小さな鍼が剣山状に集まった形状のもので、先端をポンポンと皮膚に軽く当てて刺激をする。
こちらに挙げたもの以外にも様々な種類があり、いずれも刺さずに押したりさすったりトントンと叩いたりといった刺激を与えるための形状になっています。施術するにあたって、声をかけたり話をしながら施術したり、施術箇所にあらかじめ優しく触れたり、道具自体を怖がる小児に対しては手の中に隠して見えないように持ったりすることで、鍼に対する恐怖心を与えないことも効果を得るために重要です。
◆期待される効果
小児鍼は基本的に、成長過程に見られる身体バランスの崩れによる症状に適応すると言われています。
具体的には、疳の虫(かんのむし:夜泣きやかんしゃく、ひきつけなどをさす)、不機嫌、食思不振、気管支喘息、下痢、便秘、風邪など、幅広い症状に適応されます。
◆小児だけじゃない小児鍼
基本的に小児に適応される小児鍼ですが、小児だけでなく、成人でも鍼刺激に対して過敏な人や鍼の刺入に抵抗感がある人に対しても適応となります。
「鍼治療の効果に興味はあるが、鍼を刺されるのは怖い!」という人も、気軽に受けられる鍼治療として経験してみてはいかがでしょうか。
執筆者
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。