◆過去の研究をまとめ、妊娠中の腰痛に対する運動の効果を検証
研究グループは、妊娠12から38週の腰痛や骨盤痛を発症した妊婦に対する運動の効果を調べるために、過去に報告された34の研究をまとめました。運動プログラムは、地上や水中での筋力トレーニングやストレッチ、有酸素運動などが行われました。
◆運動により、妊娠中の腰痛が改善
研究の結果、以下のことが示されました。
腰痛や骨盤痛に対するメタ分析の結果、中程度の質のエビデンス(研究デザインによる限界)が示され、8-12週の運動プログラムは、腰痛と骨盤痛を報告する女性の数を減少させた(リスク比0.66、95%信頼区間:0.45から0.97、患者数:1,176人、研究数:4);様々な構成による陸上の運動は、統計学的に有意に腰痛や骨盤痛による休暇を減らした(リスク比0.76、95%信頼区間:0.62から0.94、患者数:1,062人、研究数:2)。
妊娠中の腰痛や骨盤痛は、運動によって軽減することが示されました。
妊婦の腰痛や骨盤痛は、妊娠中の生活を悩ませる原因のひとつです。介入の効果に個人差がある可能性もありますが、適度な運動によって改善するのであれば、試しに取り入れてみる価値はあるかもしれません。なお、適切な運動の量や方法などの詳細は、医師に確認してください。
執筆者
Interventions for preventing and treating low-back and pelvic pain during pregnancy.
Cochrane Database Syst Rev. 2015 Sep 30
[PMID: 26422811]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。