2015.11.26 | ニュース

脳卒中である部位にダメージを受けると、タバコをやめやすくなる?

アメリカの研究チームが脳卒中患者156人を分析

from Addictive behaviors

脳卒中である部位にダメージを受けると、タバコをやめやすくなる? の写真

意志を強く持って禁煙するには、感情に関わる脳の働きが関係しているかもしれません。今回の研究では、脳卒中により、感情に関わるとされる部位にダメージを受けた人と受けていない人を比較して、禁煙への影響を検証しました。

◆脳の島皮質にダメージを受けるとどんな影響があるか?

脳の中には、感情、認知、痛みなどに関わる島皮質(とうひしつ)という部位があります。島皮質がダメージを受けると、これらの働きに異常が見られる可能性があります。これまでの研究では、島皮質にダメージを受けると、薬への中毒症状が少なくなることが知られています。

今回の研究では、島皮質に及ぶ脳梗塞を発症した患者38人と島皮質にダメージを受けていない脳梗塞患者118人を対象に、島皮質と喫煙との関連を検証しました。

 

◆島皮質にダメージを受けるとタバコをやめる

以下の結果が得られました。

島皮質のダメージは、3ヶ月の連続禁煙(オッズ比3.71、95%信頼区間1.59-8.65)と、どのニコチン産物も断つこと(オッズ比2.72、95%信頼区間1.19-6.22)のオッズの増大と関連していた。

島皮質にダメージを受けた脳梗塞患者は、より喫煙をやめる可能性が高いという結果でした。

 

島皮質が喫煙などの生活習慣に関連しているのだとしたら、今後この部位に対する治療の方法が研究されていくかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Smoking cessation behaviors three months following acute insular damage from stroke.

Addict Behav. 2015 Dec

[PMID: 26188468]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

▲ ページトップに戻る