この体型で網膜剥離が起こりやすく、喫煙は…?

網膜剥離はさまざまな原因で起こり、治療しても視力低下を残したり、失明につながることがあります。強度の近視の人で起こりやすいと言われていますが、ほかに関係する要因はあるのでしょうか。スウェーデンの徴集兵を対象に、背景を探る研究が行われました。
◆スウェーデンの長期追跡データを解析
研究班は、スウェーデンで義務によって徴集された1949年から1951年生まれの徴集兵49,321人を2009年まで追跡したデータを使い、網膜剥離の中でも最も多いタイプの裂孔原性網膜剥離と関連する要因を調べました。
◆肥満で高リスク、喫煙は?
次の結果が得られました。
多変量解析において、1日当たりの喫煙量が裂孔原性網膜剥離のリスクと負の関連を示した(Ptrend=0.01)。肥満がある徴集兵は正常な対象者に比べて高いリスクを示した(調整ハザード比2.51、95%信頼区間1.02-6.13)。
肥満がある人では、裂孔原性網膜剥離の頻度が高くなっていました。また、1日あたりの喫煙量が多い人ほど、裂孔原性網膜剥離が少ない傾向が見られました。
この研究の方法では、注目した以外の要因が結果に影響していた可能性が否定できません。そのため、肥満が網膜剥離の原因になるのかどうか、また喫煙が網膜剥離を防ぐかどうかは断定できません。しかし、どのような要因によってこの傾向が現れたかを詳しく調べることによって、予防のためのヒントが得られるかもしれません。
執筆者
Vascular risk factors and rhegmatogenous retinal detachment: a follow-up of a national cohort of Swedish men.
Br J Ophthalmol. 2015 Oct 15 [Epub ahead of print]
[PMID: 26472402]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。