2015.11.21 | ニュース

脳梗塞と関係がある鼻の病気

台湾の研究チームが185,697人を分析

from Allergy and asthma proceedings : the official journal of regional and state allergy societies

脳梗塞と関係がある鼻の病気 の写真

慢性的な炎症は動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中などの心血管系疾患に発展する可能性があります。今回の研究では、慢性的な鼻炎と心血管系疾患の関連性を検証しました。

◆心血管系疾患と鼻炎の関係を検証

今回の研究では、鼻炎の患者61,899人と年齢、性別がほぼ一緒で鼻炎がない123,798人を比較し、心血管系疾患との関連を検証しました。

 

◆鼻炎があると心血管系疾患を発症する危険性が低くなる?

以下の結果が得られました。

明らかな共変量で調整すると、追跡期間の最終時点で、鼻炎群は対照コホートと比較して、急性虚血性脳卒中のリスクを低くした(調整済みハザード比0.74、95%信頼区間0.70-0.79)。

鼻炎がある人では、脳梗塞を発症する危険性が低くなるという結果でした。

 

予想に反して、慢性的な炎症を起こす鼻炎の人では脳梗塞を発症する危険性が低いという研究結果でした。どのようなメカニズムでこのような関連が見られているかはわかりませんが、もし脳梗塞の原因に関係があるとしたら、鼻炎に関係する薬やその背景から、新たな研究が生まれるかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Risk relation between rhinitis and acute ischemic stroke.

Allergy Asthma Proc. 2015 Nov

[PMID: 26534741]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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