◆インフルエンザに対する漢方薬の効果を検証
今回の研究では、インフルエンザへの漢方薬の効果を検証した過去の18の研究をまとめ、計2,521人を対象に全体として効果があるか検証しました。
漢方薬は、感冒胶囊(Ganmao Jiaonang、頭痛や鼻水などかぜの症状に効くとされる薬)、連花清瘟(Lianhua Qingwen、発熱や悪寒、鼻水などのかぜの症状に効くとされる薬)などを用いた研究が対象となりました。
◆薬によっては効果があるかもしれない
以下の結果が得られました。
3つの研究だけが、抗ウイルス薬と比較して、中国薬効ハーブがインフルエンザの予防やインフルエンザ症状の改善に有効かもしれないと示していた。
Ganmaoカプセルは、インフルエンザ症状や回復のスピードに関して、ひとつの研究において、アマンタジンよりもより効果がありそうであった(データによる報告はないが、アマンタジンで副作用に言及されていた)。
漢方薬が抗ウイルス薬と同等の効果があるという報告があり、さらにその一部ではGanmaoカプセルが抗ウイルス薬のアマンタジンよりも効果があるという報告も見られました。漢方薬による明らかな副作用は報告されていませんでした。
インフルエンザへの薬として、オセルタミビル(商品名:タミフル)やザナミビル(商品名:リレンザ)が知られていますが、症状によっては漢方も選択肢のひとつとして入れても良いのかもしれません。
執筆者
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