脳卒中後の痛みには、有酸素運動を行うとよい?

脳卒中後の痛みとして、複合性局所疼痛症候群があります。これは、ただ痛いだけでなく、灼熱感、ジリジリした痛み、腫れなど様々な様相を持つ症状です。今回の研究では、そのような痛みに対し有酸素運動の有効性を検証しました。
◆有酸素運動を行う群と従来の理学療法を行う群にランダムに振り分け
今回の研究では、脳卒中の
有酸素運動を行う群では、手でエルゴメーター(手で漕ぐ自転車)と従来の理学療法を組み合わせて行い、4週間後の効果を検証しました。
◆有酸素運動を行うと痛みがより改善
以下の結果が得られました。
UEAE群では、患者が痛みの
有意 な改善(89.9%)とCRPSの徴候と症状の有意な減少を報告した。群間の肩、手の痛み、NHP、BDSスコアの平均変化量が統計的に有意であった(p<0.05)。
有酸素運動を行うと、CRPSの痛みやうつ症状が改善するという結果でした。
脳卒中後のCRPSに対するリハビリテーション手法の効果について、様々な報告がされていますが、まだ確立されていない状況です。このような研究を元に、原因のさらなる解明と治療法の確立につながるかもしれません。
執筆者
The effect of upper-extremity aerobic exercise on complex regional pain syndrome type I: a randomized controlled study on subacute stroke.
Top Stroke Rehabil. 2015 Aug
[PMID: 25943440]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。