2015.11.09 | ニュース

インフルエンザワクチンは心血管系疾患による死亡率を下げる

メタアナリシスにより検証
from The Cochrane database of systematic reviews
インフルエンザワクチンは心血管系疾患による死亡率を下げる の写真
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インフルエンザワクチンの接種を受けると心筋梗塞などの心血管系疾患による死亡率が減少するといういくつかの報告があります。今回はそのような過去の研究をまとめ、全体として、インフルエンザワクチンの接種にそのような効果があるのか検証しました。

◆インフルエンザワクチンの接種に心筋梗塞などを予防する効果はあるか?

今回の研究では、過去の8つの研究をもとに、インフルエンザワクチンの接種により心筋梗塞などの心血管系疾患を予防するか検証しました。

 

◆インフルエンザワクチンは心血管系疾患による死亡リスクを下げる

以下の結果が得られました。

心血管死亡率は、4つの2次予防試験で報告され、研究間の有意な異質性はなく、インフルエンザワクチンの全体に対して減少していた(リスク比0.45、95%信頼区間0.26-0.76、p=0.003)。そして、心血管死亡率は、イベント数が小さすぎて結論を出せず、安全解析の一部として心血管死亡率を報告した3つの試験で有意に減少していた。

心筋梗塞のような個々の疾患アウトカムでは、比較群の間で全体的に有意差は見られなかった。

インフルエンザワクチンの接種により、心血管系疾患全体の死亡率を下げるという結果でした。個々の疾患に対する予防効果は見られませんでした。

 

インフルエンザワクチンの接種により心血管系疾患による死亡率が下がる背景には、どのようなメカニズムがあるかは不明です。ワクチン自体にはそのような予防効果があるか、または心血管系疾患が重症化する原因のひとつにインフルエンザ感染症があるか、といった理由が考えられますが、今後そのような検証により明らかになるかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Influenza vaccines for preventing cardiovascular disease.

Cochrane Database Syst Rev. 2015 May 5

[PMID: 25940444]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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