2015.11.02 | ニュース

揚げ物を食べると本当にコレステロールは増えるのか?

韓国の研究チームが9,221人を分析
from The British journal of nutrition
揚げ物を食べると本当にコレステロールは増えるのか? の写真
(C) sasazawa - Fotolia.com

揚げ物や脂身を食べると身体に悪いというイメージを持っている方は多いかもしれません。特にコレステロールが上がると考えている人は多いのではないでしょうか。今回の研究では、油ものを食べることでコレステロールや血圧に影響があるか検証しました。

◆油ものの消費量と空腹時血糖値、コレステロール値などの関連性を検証

今回の研究は、韓国の栄養調査に参加した19歳以上の9,221人を対象に行われました。

調査内容は、メタボリックシンドロームの危険性を高める、ウエスト周径、空腹時血糖値、コレステロール値、血圧、揚げ物の消費量とし、これらの関連性を検証しました。

 

◆揚げ物の消費量と血圧は関連するが、コレステロール値は関連しない

以下の結果が得られました。

ほとんど揚げ物を食べない人に比べて、週2回より多く揚げ物を食べる人では、血圧の上昇に対する調整済みオッズ比が男性(オッズ比1.62、95%信頼区間1.11-2.37、pトレンド=0.0447)と女性(オッズ比2.20、95%信頼区間1.21-4.00、pトレンド=0.0403)で有意に増加した。

しかしながら、揚げ物の消費量は、その他の代謝障害の危険因子(腹部肥満、空腹時血糖値が高いこと、高TG血症、低HDLコレステロール血症、メタボリックシンドローム)とは関連しなかった。

揚げ物の消費量が高いことと血圧の上昇は関連するが、コレステロール値、中性脂肪値などその他の検査値とは関連しないという結果でした。

 

揚げ物の消費量とコレステロール値には関係が見られませんでした。しかし、この研究は一時点のデータを検証しているため、もしかしたら揚げ物の量を人為的に変化させたときに、コレステロール値も増減する可能性があります。今後の検証によって、その関連性がより明らかになるかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Association between fried food consumption and hypertension in Korean adults.

Br J Nutr. 2015 Oct 9

[PMID: 26449129]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。