◆顎関節症患者と対照群の姿勢を比較
今回の研究は、顎関節症の若年女性19人と対照群14人の、首の前後の傾きや、肩の傾きといった上半身の姿勢を比較しました。 首の前後の傾きは、人を横から見た時に首がどれだけ前に倒れているか、角度を測定しました。
◆顎関節症の人は首の前後の傾きが小さい
以下の結果が得られました。
首の傾き角度と開口の最大範囲が対照群よりも患者群で有意に小さかった。
顎関節症の人は、健常な人よりも首の前後の傾き、口を大きく開ける範囲が小さいという結果でした。
今回の研究は一時点のデータを観察しているため、因果関係については言及できません。しかしながら、「顎関節症は顎の異常によるもの」と考えていた人にとって、「もしかしたら、普段の首の姿勢も関係しているかもしれない」という可能性を示す研究として有用です。姿勢を修正することで顎関節症が改善するかといった治療の研究が今後さらに発展することに期待します。
執筆者
Characteristics of upper quadrant posture of young women with temporomandibular disorders.
J Phys Ther Sci. 2014 Sep
[PMID: 25276038]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。