◆凍結肩にステロイド薬の効果を検証
研究グループは、122人の凍結肩患者を対象にしました。対象者をランダムに3群に分け、関節内ステロイド注射、関節内と腱板疎部(関節の周りの部分)を組み合わせたステロイド注射、偽の注射を行い、6週後の痛みに対する効果を調べました。
◆凍結肩にステロイド薬が有効
研究の結果、以下が示されました。
コルチコステロイドを用いた両グループは、6週後偽注射グループと比べて統計学的に有意な差があった。肩の痛みの変化についてグループの平均差は、(性別、年齢、利き手、継続時間を調整したうえ)関節内注射と偽注射を比較すると、-1.7(95%信頼区間、-2.7から-0.6、P=0.002)、組み合わせた注射と偽注射を比較すると、-2.1(95%信頼区間、-3.2から-1.1、P=0.0001)であった。
この結果は、偽注射と比較して関節包内のみの注射でも、関節包内と腱板疎部を組み合わせた注射でも痛みが多く軽減したことを示しています。
今回の研究では、凍結肩に対するステロイド注射の短期的効果が示されました。どのような治療が長期的な効果をもたらすか、今後の研究が待たれます。
執筆者
Ultrasound-guided intra-articular and rotator interval corticosteroid injections in adhesive capsulitis of the shoulder: a double-blind, sham-controlled randomized study.
Pain. 2015 Sep
[PMID: 25919473]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。