武豊町のコミュニティサロンで健康増進の試み、参加した人で機能障害が減少
高齢の人にとって、社交的な生活は健康にも良い影響があるかもしれません。愛知県武豊町で、地域の交流を促すプログラムの結果、参加者に身体機能や認知機能の障害が少なくなったことが報告されました。
◆武豊町の高齢者を追跡
この報告では、武豊町の高齢者を対象として、2007年から2012年に「コミュニティサロン」に参加した回数と、身体機能や認知機能の障害が起こったかどうかを調べました。2,421人について解析に適したデータが得られました。
◆サロン参加者で機能障害が減少
次の結果が得られました。
最初のサロンが開いてから5年間に、サロン参加者では非参加者に比べて機能障害の発生が6.3%少なかった。
5年間で、サロンに3回以上参加した人では、2回以下または参加しなかった人よりも身体機能や認知機能の障害が発生する割合が少なくなっていました。
研究班は「高齢者の社交を促すことに集中した地域健康増進プログラムは、機能障害の発生を予防するために有効かもしれない」と結論しています。
地域社会の観点から健康増進をはかる試みの中で、武豊町の事例は今後の参考になっていくかもしれません。
執筆者
Effect of a community intervention programme promoting social interactions on functional disability prevention for older adults: propensity score matching and instrumental variable analyses, JAGES Taketoyo study.
J Epidemiol Community Health. 2015 Sep
[PMID: 25888596]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。