2015.09.10 | ニュース

急性膵炎への経腸栄養で、感染症を予防できるか?

メタアナリシスにより検証
from BMJ (Clinical research ed.)
急性膵炎への経腸栄養で、感染症を予防できるか? の写真
(C) Sherry Young - Fotolia.com

急性膵炎の治療として、栄養療法も重要な部分を占めると言われています。栄養療法のなかでも、経腸栄養の有効性について、『急性膵炎診療ガイドライン2015』で引用されている2004年の論文を紹介します。

◆急性膵炎に対する経腸栄養の有効性について検証

経腸栄養とは、チューブを通して消化管(主に胃や腸)に栄養を送ることです。これに対し、口から栄養を摂る場合は、経口栄養と言い、点滴による栄養摂取は静脈栄養と言います。

静脈栄養を行うことで、腸内細菌の活動に変化が起き(bacterial translocation)、感染症の原因になるという説があります。この考え方によれば、経腸栄養によって感染症を予防できることが予想されます。

今回の研究は、急性膵炎に対し、経腸栄養を実施した群と、経腸栄養とは別の栄養療法を実施した群の有効性を比較している6つの論文をまとめ、検証しました。

 

◆経腸栄養を実施すると感染症の発生、外科的治療の必要性、入院期間を減少する

以下の結果が得られました。

経腸栄養は、感染症の発生率の有意な低下(相対リスク0.45、95%信頼区間0.26-0.78、p=0.004)、膵炎管理のための外科的介入の減少(相対リスク0.48、95%信頼区間0.22-1.0、p=0.05)、入院期間の減少(平均減少2.9日、95%信頼区間1.6-4.3日、p<0.001)と関連した。

経腸栄養は、感染症の発生率、手術などの外科的治療の必要性、入院期間を減らす効果があったという結果でした。一方、死亡率には影響が見られませんでした。

筆者らは、「経腸栄養は、急性膵炎患者において、栄養サポートの選ばれるべき方法である。」と結論付けています。

 

経腸栄養により、感染予防が可能であるという結果でした。

これらの結果も踏まえて、『急性膵炎診療ガイドライン2015』では、「重症例においては、栄養補給経路としての意味以上に感染予防策としての意義が重要である。腸管合併症のない重症例に適応があり実施すべきである。」と記載されています。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Meta-analysis of parenteral nutrition versus enteral nutrition in patients with acute pancreatitis.

BMJ. 2004 Jun 12

[PMID: 15175229]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。


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