◆4日目までに手術をした群とそれよりも遅い群で在院日数や生存率を比較
今回の研究では、過去に、くも膜下出血の発症から4日目までに手術をした群と、4日目を超えて手術を行った群で、その後の在院日数、生存率を比較しました。
◆4日目までに手術をした方が在院日数が短縮
調査の結果、以下のことを報告しました。
[...]くも膜下出血から4日目までに手術を行った患者の再出血率は有意に減少した(p<0.0001)。
試験のPhase2において、在院日数が手術が遅いグループの25.7日(95%信頼区間21.6-29.8)と比較して、手術を早期に行うと、15.8日(95%信頼区間13.1-18.5)に短縮した(p<0.00001、t検定)。
くも膜下出血発症後、4日目までに手術を行うと再出血が少なく、在院日数が短縮したという結果でした。
これらの結果をふまえて、『脳卒中治療ガイドライン2015』では、「外科的治療が選択された場合には、原則的に出血後72時間以内の早期に行うよう勧められる。」と記載されています。
なお、この研究では「4日以内」が基準にされていますが、発症日も含めて4日以内ということは、『脳卒中治療ガイドライン2015』に記載されている「72時間以内」とおおむね一致します。
執筆者
An audit of aneurysmal subarachnoid haemorrhage: earlier resuscitation and surgery reduces inpatient stay and deaths from rebleeding.
J Neurol Neurosurg Psychiatry. 1996 Mar
[PMID: 8609508]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。