◆太極拳を行う群と対照群にランダムに振り分け
今回の研究は、心筋梗塞患者61名を、3週間の太極拳プログラムを受ける群と3週間の全身ストレッチを受ける群(対照群)にランダムに振り分け、太極拳の効果を検証しました。
◆太極拳を受けると最大酸素摂取量が改善
調査の結果、以下のことを報告しました。
12週間の研究期間後、太極拳群の参加者は最大酸素摂取量がベースラインから14%増大し(21.6±5.2から24.6±5.2ml/kg/分)、対照群の参加者では最大酸素摂取量に、有意ではない5%の減少が見られた(20.4±5.1から19.4±4.4ml/kg/分)。
2群間には有意差があった(P<0.0001)。
太極拳を行うと、体力の指標である最大酸素摂取量が改善しました。
筆者らは、「太極拳の実践は、最近心筋梗塞があった患者の最大酸素摂取量の増大と関連し、この患者集団に対して心臓リハビリテーションの有効な方法を構成しうる。」と述べています。
太極拳は無理のない負荷量で行うことができるため、心臓リハビリテーションとして有効なのかもしれません。しかし、病気のある方はひとりで行うことが危険な場合もありますので、医師への相談をおすすめします。
執筆者
Tai Chi Chuan improves functional capacity after myocardial infarction: A randomized clinical trial.
Am Heart J. 2015 Jun
[PMID: 26027624]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。