見た目が美しくないなどの理由でムダ毛と言われ嫌厭されがちな体毛ですが、決してムダな毛ではなく大切な役割があるのです。「毛は大切な部分を守っている」という事がよく言われていますが、実際に体毛は体を守っています。それは具体的にどういう事なのでしょうか?
◆クッションの役割
外からの様々な刺激を和らげるクッションとしての役割があります。毛の弾力で、外部からの様々な刺激をふわっと和らげ、摩擦や圧力などの刺激から皮膚を守ります。
◆フィルターの役割
特に鼻毛が特徴的ですが、ごみやほこり、チリなどを呼吸で吸い込まないようにするためのフィルターとしての役割があります。タバコを多く吸う人や空気の悪い所に住む人は鼻毛が伸びやすいとよく言われますが、タバコの煙をより多くキャッチして体内に取り込まないようにしようとする自己防衛の作用で伸びるのでしょう。
◆紫外線カットの役割
太陽からの紫外線が皮膚に直接当たるのを防ぐ役割があります。紫外線による皮膚へのダメージを和らげます。
◆毒素排出の機能
頭髪は、デトックス器官としての役割も担っています。あまり知られていない役割ですが、体内の消化しきれない毒素(水銀、アルミ、ヒ素など)は、血液によって頭皮の部分に集まり、髪の毛の中に取り込まれていきます。この毛が抜けることで体外に排出されます。
◆刺激を感知する感覚器官
皮膚に与えられた刺激は、皮膚表面より先に毛がキャッチして受容します。これによって皮膚感覚を助けています。
◆保温・断熱機能
よく、ショートカットや坊主頭にしたら寒くて風邪をひいた、などと言いますが、毛は体温を一定に保つための保温や断熱材として働いています。
このように、体毛はさりげなく体を守っているのです。このような役割を果たす体毛をなくしてしまう事により、体が冷えやすくなったり、皮膚が荒れやすくなったり、感覚機能が鈍くなったりする可能性があります。これらは脱毛の数少ないデメリットと言えるかもしれません。
執筆者
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。