◆分枝鎖アミノ酸製剤群と食事療法群の2群にランダムに振り分け
今回の研究では、非代償性肝硬変の患者646名を、分枝鎖アミノ酸製剤を2年間1日12g使用する群と、分枝鎖アミノ酸が一定量含まれるたんぱく質を摂取する食事療法群にランダムに振り分け、その後の死亡や肝臓がんの発生、質問票で調べたQOLを比較しました。
◆分枝鎖アミノ酸製剤群で死亡リスクが減少、QOLも向上
調査の結果、以下のことを報告しました。
主要エンドポイントのイベント発生リスクは、BCAA群で食事群と比較して有意に減少した(ハザード比0.67、95%信頼区間0.49-0.93、p=0.015、観察期間の中央値445日)。
Short Form-36評価のうち全体的健康感が有意に改善した(p=0.003)。
分枝鎖アミノ酸製剤を投与した群では、食事療法を行った群と比較して、死亡やがんの発症などをあわせた病気の悪化が減少し、QOLのうち全体的健康感も向上したという結果でした。
この論文は、肝硬変治療ガイドラインや慢性肝炎・肝硬変の診療ガイドで引用されているものです。肝硬変に対する薬剤投与の効果を検証した論文は他にも紹介しているので、ご参照ください。
執筆者
Effects of oral branched-chain amino acid granules on event-free survival in patients with liver cirrhosis.
Clin Gastroenterol Hepatol. 2005 Jul
[PMID: 16206505]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。