◆初期治療後のリハビリテーションの研究
この研究は、アキレス腱断裂を手術で修復したのち、早期の体重負荷において、ギプス固定している場合と足関節が動く装具を使う場合を比較しています。対象者はどちらかのグループにランダムに割り当てられ、手術後11年での状態を評価されました。
◆群間の差はなく、運動能力の低下があった
手術後11年で評価を受けた37人について、2つのグループでともに、次の結果が見られました。
等速性強度は健側足関節に比べて1年から11年の間にわずかに変化したが、ピークトルクの平均5%の障害と、平均仕事量の平均8%の障害が11年後にも残っていた。
足関節が動く力に、けがをしていない方の足に比べて低下が見られました。
グループの間での違いは見られませんでした。
研究班は「患者の手術治療に対する満足度にかかわらず、ふくらはぎの筋力は11年のフォローアップ後であっても正常には戻っていなかった」と述べています。
アキレス腱断裂の治療には、リハビリテーションでも効果的な方法が探られていますが、完全に元通りになるとは現状では言えないのかもしれません。治療後長期間での効果の検証は簡単ではなく、まだ課題も残っているようです。
執筆者
Early Functional Treatment Versus Cast Immobilization in Tension After Achilles Rupture Repair: Results of a Prospective Randomized Trial With 10 or More Years of Follow-up.
Am J Sports Med. 2015 Jul 30 [Epub ahead of print]
[PMID: 26229048]
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