良性発作性頭位めまい症の治療「エプリー法」の有効性を改めて、三半規管から耳石を戻す方法

良性発作性頭位めまい症(BPPV)は、平衡を感じる器官の中で、耳石という砂粒のようなものの位置がずれることで起こります。これまでの研究報告を検証した結果、頭を動かすことで耳石を本来の位置に戻す「エプリー法」の治療効果が報告されました。
◆過去の論文を検証
研究班は、過去の研究から、BPPVの治療としてエプリー法の効果と安全性を偽薬、
◆めまい解消に効果あり
次の結果が得られました。
このレビューには11の試験を含め、そのうちで計745人の患者が対象とされていた。
めまいの完全な解消は、偽治療またはその他の対照に比べて、エプリー法治療群でより多く見られ(オッズ比4.42、95%信頼区間2.62-7.44、5件の試験273人の参加者から)、めまいが解消した患者の割合は21%から56%に上がった。
有害作用は頻繁には報告されていなかった。治療による深刻な有害作用は見られなかった。
見つかった11件の研究を検証した結果、エプリー法で治療した人では、経過観察などの場合に比べて、めまいが完全になくなることが多くなっていました。深刻な副作用は見られませんでした。
良性発作性頭位めまい症は自然に治ることもありますが、日常生活に支障が出ることもあり、また若い人にも高齢の人にも起こります。もしものときにはエプリー法が役に立ってくれるかもしれません。
執筆者
The Epley (canalith repositioning) manoeuvre for benign paroxysmal positional vertigo.
Cochrane Database Syst Rev. 2014 Dec 8
[PMID: 25485940]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。