2015.07.17 | ニュース

出産直前に超音波検査はしなくてもよい?妊娠後期のルーチン検査について

13件3万5千人のメタアナリシス
from The Cochrane database of systematic reviews
出産直前に超音波検査はしなくてもよい?妊娠後期のルーチン検査についての写真
(C) Monkey Business - Fotolia.com

妊娠中に胎児の状態を見るために、超音波検査がしばしば使われます。しかし、これまでの文献を検証した研究から、妊娠24週より後の妊娠後期には、無条件に超音波検査を行っても全体として結果の改善に結び付いていなかったという結果が報告されました。

◆過去の研究を検証

研究班は、論文データベースを検索して、妊娠24週より後に異常がなくても必ず超音波検査をする方針でケアを行った場合と、特に必要と思われたときにだけ超音波検査を行った場合とで、早産など出産に関わる結果に違いがあるかを調べた研究を集めました。

見つかった研究は内容を検証したうえデータを統合して統計解析を行いました。

 

◆結果の差なし

次の結果が得られました。

計34,980人の女性を対象とした13件の試験がこのシステマティックレビューに含まれた。

妊娠後期での超音波検査と周産期死亡率(リスク比1.01、95%信頼区間0.67-1.54、対象者30,675人、研究8件、I2=29%)、37週未満での早産(リスク比0.96、95%信頼区間0.85-1.08、対象者17,151人、研究2件、I2=0%)、陣痛誘発(リスク比0.93、95%信頼区間0.81-1.07、対象者22,663人、研究6件、I2=78%)、帝王切開(リスク比1.03、95%信頼区間0.92-1.15、参加者27,461人、研究6件、I2=54%)に関連は見られなかった。

13件の研究が見つかり、対象者数の合計は約3万5千人でした。解析の結果、無条件に超音波検査を行った場合と、そうでない場合とで、出産後7日までの子どもの死亡、37週未満での早産、陣痛誘発、帝王切開の頻度に違いは見られませんでした

研究班は、「現在存在する根拠に基づけば、低リスクまたは限定されない集団に対して妊娠後期にルーチンで超音波検査を行うことは母親にも新生児にも利益をもたらさない」と結論しています。

 

妊娠後期には特に理由がなければ超音波検査をしなくてよいかもしれない、という結果が示されました。超音波検査は多くの情報が得られる検査ですが、「しなければならない」検査なのかとい議論が生まれるのかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Routine ultrasound in late pregnancy (after 24 weeks' gestation).

Cochrane Database Syst Rev. 2015 Jun 29

 

[PMID: 26121659]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

MEDLEYニュース新着記事