2015.07.14 | コラム

漢方は日本の医学!?

漢方の生い立ちと漢方薬を選ぶ指標とは?
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漢方と聞くとお隣中国の医学というイメージが浮かぶかもしれませんが、実は日本で独自発展を遂げてきた医学です。今回は“日本独自の医学”ともいえる漢方の概要に関してご紹介します。

◆ 漢方は日本独自の医学である

漢方は漢(中国)より伝わった特殊な技術(薬の調合法や医術)を日本の風土や日本人の体質にあわせて独自に発展し(特に17世紀頃、大きく発展したとされています)現在に継承されてきた医学です。漢方という名前は西洋より伝えられた「蘭方」と区別するためにつけられ、中国の伝統的な医学である「中医学」とも異なる、日本独自の伝統医学といえます。

西洋医学は病気の原因を科学的な見地によって診断、治療を行うのが基本です。一方、漢方医学では体のある部分に発症している病気でも全身の状態から診断し、人が本来持っている自然治癒力を高めることを治療の目的とします。少し極端な表現かもしれませんが、西洋医学が身体をピンポイントに勢いよく洗浄するジェット水流とするなら、漢方医学は身体全体を優しく流すシャワーというところでしょうか。

 

◆ 人それぞれに合わせた漢方薬の選択

漢方医学では全身の状態を考え治療を行うので、同じ病気でも身体の状態によって用いる漢方薬が違っていたり、逆に病気は違っても用いる漢方薬が同じであったりする場合があります。漢方薬を選択する場合に重要なのが、その人の体質や状態などを示す「証(しょう)」というものです。今回は詳細に関して割愛しますが、比較的体力があり胃腸が強いなどの体質では「実証」、逆に比較的体力がなく胃腸が弱いなどの体質では「虚証」というように、人それぞれの体質などを見極めて「証」を決定し、その「証」に適する漢方薬を選択します。

また「証」は体質だけでなく、体の熱の有無によっても分けられたりもします。例えば風邪をひいた時などで、体に発熱がある状態では「陽証(又は熱証)」、あまり熱を感じなく逆に寒気がある状態では「陰証(又は寒証)」というようにその時の体の状態によっても「証」は変化するのです。

漢方薬は西洋薬に比べ比較的副作用が少ないとされていますが、漢方薬も"薬"ですので副作用が全く無いということはありえません。漢方薬を構成しているのは動植物や鉱物など自然由来の生薬です。蕎麦を食べてアレルギーが出る体質(蕎麦アレルギー)の人がいるように、漢方薬の生薬に対してアレルギーが出る人も稀かとは思いますが可能性は「ゼロ」ではないのです。また、「証」に合わない漢方薬を用いたり、むやみやたらに多くの量を摂取したりすると当然副作用が生じる危険性が高くなります。漢方薬であるから安全だ…というわけではなく、人それぞれの体質や状態などに合わせて適切な漢方薬を用いることが大切だということを覚えておきましょう。

執筆者

中澤 巧

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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