小麦が血糖値・コレステロールを下げる?「stay-green型小麦」が2型糖尿病に示した効果

2型糖尿病は主に食事などの生活習慣が原因と考えられています。予防、治療のために食事の改善が勧められ、個別の食品がどのように影響するかについても多くの研究があります。中国の研究班は、小麦の変異体で、葉が緑色のまま保たれる時期が長い「stay-green型」に着目しました。stay-green型小麦をラットに与えたところ、血糖値やコレステロールが低くなる結果が得られました。
◆糖尿病ラットに与えるエサを変えて比較
研究班は、ラットに高脂肪食を与え、かつ膵臓に毒性のある薬剤を使って2型糖尿病を
◆血糖値・コレステロールを抑制
実験から次の結果が得られました。
stay-green型小麦の多量または少量の摂取は、2型糖尿病ラットの中で
有意 に空腹時血糖 (多量摂取で11.3%減少、少量摂取で7.0%減少)、インスリン (多量摂取で12.3%減少、少量摂取で9.7%減少)、総コレステロール (多量摂取で9.1%減少、少量摂取で7.5%減少)を抑制する効果を示した。
stay-green型小麦を与えたラットでは、血糖値、インスリン、総コレステロール値が低くなりました。
この作用について、研究班は「stay-green型小麦の有益な効果は、アントシアニンの量と総フラボノイドの量が多いことによる強い抗酸化力によるものかもしれない」と推定しています。
ラットの結果がどの程度人間にも当てはまるかはわかりませんが、stay-green型小麦を今後食品の原材料として使うことがあるとすれば、参考になる観点かもしれません。
執筆者
Effect of Stay-Green Wheat, a Novel Variety of Wheat in China, on Glucose and Lipid Metabolism in High-Fat Diet Induced Type 2 Diabetic Rats.
Nutrients. 2015 Jun 26
[PMID: 26132991]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。