◆自閉症スペクトラム障害の子どもとそうでない子どもを比較
研究班は、台湾の健康情報のデータベースを参照して、自閉症スペクトラム障害のある子ども4,184人と、自閉症スペクトラム障害のない子ども16,734人の情報を取り出し、母親の感染症との関連を調べました。
◆2回以上の受診で関連あり
統計解析から次の結果が得られました。
プールした解析から、妊娠第3期に2回以上、外来を性器感染症で(調整オッズ比1.34、95%信頼区間1.12-1.60、false discovery rate<0.01)、または細菌感染症で(調整オッズ比1.24、95%信頼区間1.06-1.43、false discovery rate<0.05)受診することは自閉症スペクトラム障害のリスク増加と関連していることが示された。
妊娠7か月目から9か月目の時期のうちに性器感染症で2回以上、または細菌感染症で2回以上の受診があった場合、子どもの自閉症スペクトラム障害が多くなっていました。
この研究の方法では、必ずしも感染症が原因とは断定できず、母親が頻繁に感染症にかかった背景に別の原因があった可能性も考えられます。しかし、もし感染症防止が自閉症スペクトラム障害の防止にもつながるとすれば、その効果を確かめることは重要です。よりはっきりと関係を示す情報に期待がかかります。
執筆者
Prenatal Infection and Autism Spectrum Disorders in Childhood: A Population-Based Case-Control Study in Taiwan.
Paediatr Perinat Epidemiol. 2015 Jul
[PMID: 25989831]
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