2015.06.27 | ニュース

子宮頸がんの前の段階「子宮頸部上皮内腫瘍」に対する光線力学療法の効果は

CIN1、CIN2に対するランダム化試験
from American journal of obstetrics and gynecology
子宮頸がんの前の段階「子宮頸部上皮内腫瘍」に対する光線力学療法の効果はの写真
(C) Sven Hoppe - Fotolia.com

子宮頚がんの手前の段階と考えられている、「子宮頸部上皮内腫瘍」(CIN)という状態が検診で見つかることがあります。軽度のものは自然に消えることがあり、経過観察されることもありますが、治療として子宮頚部円錐切除術という手術もあります。手術以外の治療として「光線力学療法」という方法が新たに試され、ある程度の進行度のCINに対して効果が現れる結果が得られました。

◆CIN1、CIN2を光線力学療法で治療

光に反応する薬剤を使って、薬剤に光を当てたときの変化を利用して治療することを光線力学療法と言います。この研究では、ヘキサアミノレブリン酸(HAL)という薬剤を使ってCINを治療しています。

研究班は、CINのうち進行度が低い「CIN1」または「CIN2」という段階のものが見つかった262人の女性を対象として、次のようにHALを使った光線力学療法を行いました。

対象者はHAL塩酸塩0.2%、1%、5%、偽薬軟膏のいずれかによる1回または2回の局所治療を受け、3か月後から6か月後に生検に基づいて応答を評価された。

HALの量と治療の回数をさまざまに変えて光線力学療法を行い、HALではない偽薬を使った場合と比較しました。

 

◆CIN2に反応あり

治療から次の結果が得られました。

CIN2のあった女性に対して、6か月でHPV16/18のクリアランスが偽薬群で33%(6人中2人)だったのに対してHAL5%群では83%(6人中5人)だったことに加え、3か月でHAL5%群の95%(19人中18人)に、偽薬群の57%(21人中12人)に比べて統計的に有意な応答(P<0.001)が見られるとともに、明らかな用量効果があった。

分泌物、不快感、皮膚の斑など局所的で自己限定的な有害反応だけが報告された。

CIN2があった人にだけ統計的に違いが現れ、HALの量を最も多くしたときに、95%の人に反応が見られました。大きな副作用はありませんでした。

研究班は「HALによる光線力学療法はCIN2の治療として、腫瘍原性HPVのクリアランスを含めて期待できるが、CIN1に対してはそうではない」と結論したうえ、「確認する研究が計画されている」と述べています。

 

CIN2は経過観察でよいと判断される場合もあり、より深刻な子宮頚がんに進行することを治療によって防げるかどうかは、別に考える余地がありそうです。もし手術に替わって子宮の機能を残しながら将来有益な効果を得ることができるとわかれば、光線力学療法が有力な治療に加わっていくことも考えられるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

A randomized study of hexaminolevulinate photodynamic therapy in patients with cervical intraepithelial neoplasia 1/2.

Am J Obstet Gynecol. 2015 Apr

 

[PMID: 25467012]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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