糖尿病発症を増やす原因はここに?〔フルーツジュースと2型糖尿病 後篇〕

フルーツジュースを多く飲む人に2型糖尿病の発症が多く、果物を多く食べる人には少なかったという報告があります。この違いはどこから生まれたのでしょうか。フルーツジュースの成分に注目した研究がほかにいくつかあり、それらを検証して統合する研究から、糖類で甘くしたフルーツジュースと2型糖尿病の発症には関連があるが、100%フルーツジュースには関連がなかったという結果が示されました。
◆過去の研究を統合
研究班は論文データベースを検索し、フルーツジュースと2型糖尿病
◆糖類を加えたフルーツジュースのみ関連あり
見つかった8件の研究の結果を統合し、次の結果が得られました。
糖類で甘くしたフルーツジュースの摂取量増加は2型糖尿病発症のリスクと
有意 に関連していた(リスク比1.28、95%信頼区間1.04-1.59、P=0.02)一方、100%フルーツジュースの摂取は2型糖尿病発症のリスクと関連が見られなかった(リスク比1.03、95%信頼区間0.91-1.18、P=0.62)。
糖類で甘くしたフルーツジュースを多く飲む人には2型糖尿病の発症が多くなっていましたが、100%フルーツジュースと2型糖尿病発症には関連が見られませんでした。
日本で売られているものを含め、市販のフルーツジュースには糖類を加えたものもあります。フルーツジュースを飲む習慣がある方は、ふだん飲んでいるジュースの成分表示を読んだことがありますか?
なお、この研究では100%フルーツジュースと2型糖尿病発症に関連が見られませんでしたが、冒頭で触れた研究(下記の記事で紹介しています)では、果物を多く食べると2型糖尿病発症は少なかったとされています。この違いも興味深いところです。
執筆者
Intake of fruit juice and incidence of type 2 diabetes: a systematic review and meta-analysis.
PLoS One. 2014 Mar 28
[PMID: 24682091]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。