ジェットバスで水中出産後にレジオネラに感染、産まれた子が死亡

重症の呼吸器感染症を起こす細菌のレジオネラは、普通の環境に広く住み着いています。多くは病気の原因にはなりませんが、水が適温で長時間交換されないところでは危険な量まで増殖して、集団感染を起こしたり、死因になることもあります。2014年にアメリカのテキサス州で、ジェットバスを使って水中出産をしたあと、産まれた子がレジオネラに感染して死亡するという出来事がありました。
◆レジオネラ感染による敗血症
死亡した新生児は、生後6日で病院に連れてこられたとき、
◆井戸水をジェットバスに入れ、37℃で循環
水中出産に使われたバスタブは、出産の2週間前に助産師センターが持ち込んだものでした。水は井戸水に市販の消毒剤を加えたものが使われていました。塩素消毒はされていませんでした。水は37℃前後で循環していました。レジオネラの検査が行われたときにはバスタブは洗浄されており、レジオネラは検出されませんでした。井戸水からもレジオネラは検出されませんでした。
感染源は特定されませんでしたが、ジェットバスはレジオネラ感染のリスクが高いと思われる状態にありました。1歳未満の子どもがレジオネラ感染を診断されることはまれですが、この報告のように水中出産後にレジオネラ感染が見つかった例は、1999年に日本で起こった例を含め、数件報告されています。レジオネラ感染についての正しい知識が求められます。
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※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。