2015.06.06 | ニュース

重症デング熱にワクチンの有効率95.5%

南米5カ国で行われた試験結果
from The New England journal of medicine
重症デング熱にワクチンの有効率95.5%の写真
(C) furtseff- Fotolia.com

2014年に東京都心などで発生して話題になったデング熱には、これまで有効な予防や治療が確立していません。そこでデング熱のワクチンが新しく開発され、デング熱の流行がある南米5か国で試験を行ったところ、有効性を示唆する結果が得られました。アジアでの試験に続いて、デング熱ワクチンの有効性の報告は2件目となりました。

◆子どもに注射3回

研究班は、9歳から16歳の子どもを対象に、6か月おきに3回注射するワクチンの効果を試験しました。

対象者はワクチンの注射を受けるグループと偽薬の注射を受けるグループにランダムに振り分けられ、25か月間追跡されました。

 

◆重症デング熱を96%予防

試験から次の結果が得られました。

合計20,869人の健康な子どもがワクチンまたは偽薬の注射を受けた。

1回以上の注射を受けた子どもを比較すると、ワクチンの有効率は64.7%(95%信頼区間58.7-69.8)だった。

血中のウイルスが確認された重症のデング熱に限って比較すると、発生した12例のうちワクチン群は1例で、intention-to-treatでのワクチンの有効率は95.5%だった。

CYD-TDVワクチンの安全性プロファイルは、偽薬に近く、偽薬と有害事象の発生率に目立った違いがなかった。

試験の対象となった約2万人の子どもの中で、ワクチンはデング熱発症を64.7%減らし、重症のデング熱に限っては95.5%減らしていました。目立った副作用はありませんでした。

 

デング熱ワクチンの高い効果を示唆する結果が得られました。この結果を受けて、ワクチンの製造元は、デング熱の流行がある国での承認を目指しています。デング熱の感染者は世界で毎年1億人とも言われ、ワクチンで有効に予防できれば大きな成果につながるかもしれません。国際化が進んだいま、まさに2014年がそうだったように、デング熱は日本にとっても他所事ではない、重要なトピックと言えるでしょう。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Efficacy of a tetravalent dengue vaccine in children in Latin America.

N Engl J Med. 2015 Jan 8

 

[PMID: 25365753]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。