HbA1cはきちんと糖尿病を反映するのか?

糖尿病の検査で、血液の「HbA1c」という物質がよく調べられます。HbA1cは検査前1か月から2か月程度の血糖値を反映すると言われています。生活習慣と関係の深い2型糖尿病の目安になると考えられていますが、フィンランドの健康調査データから、2型糖尿病ではない男性ではなんと、HbA1cがおおむね糖尿病以外の要因によって決まっていたという結果が報告されました。
◆2型糖尿病ではない男性が対象
研究班は、フィンランドで行われた、2型糖尿病ではない45歳から70歳の男性を対象とする健康調査から、9,398人についての情報を統計解析しました。
特に、
◆インスリンは関係が弱い?
HbA1cについて、以下の関連が見つかりました。
年齢、空腹時血糖、高
感度 CRP が最も強くHbA1cと関連し、2型糖尿病ではない研究参加者のHbA1cの分散の12%を説明していた。動態指数(インスリン分泌)、松田インスリン感受性指数(インスリン感受性)は2型糖尿病ではない研究参加者のHbA1cの分散の2%未満しか説明しなかった。
HbA1cは年齢、空腹時の血糖値、また体内の
研究班はこの結果を「2型糖尿病ではない男性の間では、HbA1cの分散はおおむね糖尿病以外の要因によって決まっていた」とまとめています。
健診での糖尿病検査などにも関わってきそうな報告です。糖尿病を専門にされている医師の方は、HbA1cの検査値をどのように評価されているのでしょうか?
執筆者
Glycated hemoglobin levels are mostly dependent on nonglycemic parameters in 9398 finnish men without diabetes.
J Clin Endocrinol Metab. 2015 May
[PMID: 25734252]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。