手術を受けるときはネイルオフを!

マニキュア、ジェルネイル、付けづめ、ネイルシールなど、つめのオシャレを楽しんでいる方は非常に多いと思います。(以下、これらのつめの装飾を”ネイル”と総称します。) しかし、手術の前に必要な準備の中に、「ネイルを落として下さい」という項目があります。これに対して「ネイルと手術、関係無いのでは?」と疑問に思う方も多いと思います。 ネイルと手術の関係について、元手術室看護師の筆者が解説します。
◆ネイルは血中酸素飽和度の測定の妨げになる場合がある
手術中は、患者さんの体が傷つけられ、体調に変動が起きやすい状態なので、その変動を知るために様々なモニタリングをします。代表的なモニタリング項目は、血圧、脈拍数、そして血中酸素飽和度(SpO2、サチュレーション)です。血圧、脈拍数はご存知の通りですが、血中酸素飽和度はあまり耳馴染みの無い項目だと思います。
血中酸素飽和度とは、血液中の
◆こんな場合はOK?NG?
【透明の素材だったら付けてもOK?】
――正常な数値が出る場合もありますが、素材によってはセンサーの光を吸収してしまい、正常な値が出ない可能性があるのでNGです。
【指一本分だけオフすればOK?】
――これは何かしらの理由でその指で測定ができない可能性もあるため、NGです。
【ペディキュア(足に施すネイル)はOK?】
――状況によっては手の指にセンサーを装着できないことがあり、その場合足の指に装着するため、これもNGです。
要するに、ネイルは両手両足全てオフしておくのがベストです。ただし、その施設によってネイルに関する決まり事の設定が異なるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
◆術前術後のネイルは計画的に!
せっかくお金や時間をかけて綺麗なネイルを施したのに「落とせ」と言われるのは、もったいないうえにモチベーションも下がりますよね。今後手術を受ける予定のある方は、ネイルのオン・オフを計画的にすることをお勧めします。
執筆者
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。