2015.05.24 | コラム

医学生も就活するの??

知られざる医師キャリアの実態〔その2〕
医学生も就活するの??の写真
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「医学部生も就活するんです」と言うと、驚かれることがあります。しかしながら医学部6年生にとって、翌年からどの病院で働くかは、その後の人生に影響する、とても大きな問題なのです。

◆ 研修医になる前の、大切な「就活」

医学部生にも就活があります。マッチングシステムと言って、6年生の夏に行われる、病院と医学生のお見合いシステムのようなものです。

学生は希望する病院に、そして病院は希望する学生に、優先順位をつけて提出します。その順位に基づいて、不公平にならないようなアルゴリズムで弾き出された就職先に、それぞれが割り当てられるのです。他業界の就活と違うのは、このように中央のシステムで一括申し込みになっている点で、学生が複数の病院から内定をもらったり、病院が学生を青田買いしたりすることはできないようになっています。

 

◆ 病院も学生も、互いを選ぶのに必死

学生は、研修医になってから働く病院を選ぶために、5-6年生のころから情報を集めたり、希望する就職先(病院)の見学をして回ったりします。

ここぞ、と思う病院をいくつか受験するのですが、本命の病院には熱意を示すために、1週間から場合によっては数ヶ月間まるまる実習をしに行くこともあります。企業で行われるインターンシップと似ていますが、あくまでも実習ですので、給料はもらえません。長期休暇を費やして、足繁く通うのです。

夏の採用試験本番では、筆記試験や小論文、面接などが課され、このあたりは一般的な就活と変わりません。また学生の間では、ブラック企業ならぬ、ブラック病院と呼ばれる病院もあります。決して医療水準が劣るわけではないのでしょうが、研修医にとっては過重労働であったり、研修システムが充実していなかったりすることから、敬遠されがちな病院です。

逆に病院側としては、学力を基準に選考するところや、人間性を重視するところ、はたまた、選べるだけの余裕がなくて一人でも多く受験してくれることを願っているところなど、様々です。

 

◆ 人気病院の条件

マッチングシステムの結果は、受験期間が終わった10月に、オンラインで一斉に発表されます。万が一、全ての希望病院に落ちてしまった場合、発表後もまだ定員割れの病院に、改めて個別に申し込むことになります。昨今の医師不足の影響もあり、多くの大学病院は定員割れで研修医不足です。全くどこにも就職できないということはありません。

しかしながら最初の2年間で身につけた姿勢が、その後の医師人生のベースとなるわけですから、人気病院の競争は激烈なものです。人気病院の条件は、

  • 研修システムが充実している
  • 先輩医師が優秀である
  • 有名ドクターがいる
  • 全国から患者さんが集まってくる
  • その他一般的な条件(給与、休暇、寮などの福利厚生)

などです。やはり地方よりも都心部に人気が集中しがちです。

そして無事就職が決まった学生は、間髪をいれずに、目前に迫った卒業試験、国家試験の勉強に明け暮れることになります。

 

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執筆者

沖山 翔

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。