◆過去の研究のデータを再検討
研究班は、複数のデータベースから片頭痛患者の情報を統合して統計解析しました。片頭痛の発作の際に服用されるスマトリプタンの効果を評価するため、スマトリプタン頓用後2時間で頭痛がなくなっている割合を、閃輝暗点があった場合となかった場合で比較しました。また、ジヒドロエルゴタミンの吸入剤についても、1件のランダム化試験で作られたデータベースから同様に統計解析しました。
◆スマトリプタンは閃輝暗点があると効きにくい
閃輝暗点のない片頭痛発作を治療する場合、スマトリプタン頓用後2時間で頭痛がなくなっている割合は、閃輝暗点がある発作を治療する場合に比べて1.33倍高いことがわかりました。ジヒドロエルゴタミンによるランダム化試験では、頓用後2時間で頭痛がなくなっている割合は、閃輝暗点がある場合とない場合で統計的に有意な差がありませんでした。
研究班は、この結果が「片頭痛発作の治療選択に影響するかもしれない」と結論するとともに、「隠れた片頭痛のメカニズムについて知る手がかりになるかもしれない」と述べています。
片頭痛の原因はまだ完全に明らかにはなっていませんが、さまざまな発見が積み重なって、いつか治療に結び付くことが待ち望まれます。
このコラムは2019年12月26日にMEDLEY編集部によって加筆修正されています。
執筆者
Reduced efficacy of sumatriptan in migraine with aura vs without aura.
Neurology. 2015 Apr 3
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。