太ると病気になるのはこの物質のせい?

肥満は糖尿病、動脈硬化など多くの病気の原因になります。その過程には慢性的な炎症が深く関わっていると考えられていますが、肥満によって炎症が起こるしくみは明らかになっていません。大阪大学の研究班は、マウスの実験で、肥満が始まるときに脂肪組織に炎症を起こす物質を特定しました。この物質の働きを抑えることで、肥満マウスの血糖値を改善することにも成功しています。
◆マウスを肥満させて画像で観察
実験では、マウスに脂肪分と糖分の多い餌を与えて肥満させ、生体内多光子撮像という技術で生きたまま体内の脂肪組織を観察し、肥満が進むにつれてどのように
すると、餌を変えて5日目の、まだ肥満が明らかでないときから、脂肪組織に
◆S100A8と炎症との関連性
このS100A8をマウスの組織に与えたところ、白血球を集める効果が確かめられました。また、S100A8に対する
インスリン抵抗性とは、
この研究は、肥満から始まる多くの病気に関わっているかもしれません。ここから画期的な治療法が生まれてくるかもしれません。
執筆者
Visualized macrophage dynamics and significance of S100A8 in obese fat.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2015 Apr 6
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。