ブレクスピプラゾール(抗精神病薬)の解説
ブレクスピプラゾール(抗精神病薬)の効果と作用機序
ブレクスピプラゾール(抗精神病薬)の薬理作用
統合失調症は感情や思考をまとめることが上手くできなくなってしまい、幻覚、妄想、会話や行動の障害、感情の障害、意欲の障害などの症状があらわれる。
幻覚や妄想などの陽性症状とも呼ばれる症状は、神経伝達物質ドパミンが深く関わるとされている。統合失調症で使われる抗精神病薬の多くは、ドパミンD2受容体への遮断作用をあらわし、これにより陽性症状の改善が期待できる。一方、統合失調症では 感情表現が乏しくなったり意欲の低下などの陰性症状とも呼ばれる症状や、記憶などの認知機能の障害があらわれる場合もある。これらの症状には中脳皮質系ドパミン経路という部分の機能低下が深く関わっているとされ、抗精神病薬によるドパミン抑制作用によって、この部分のさらなる機能低下が少なからず懸念される。神経伝達物質セロトニンは統合失調症における陰性症状などに深く関わるとされ、セロトニンの働きのバランスを調整することで陰性症状などの改善が期待できる。
本剤(ブレクスピプラゾール)は、セロトニン5-HT1A受容体への部分刺激作用、セロトニン5-HT2A受容体への拮抗作用、ドパミンD2受容体への部分刺激作用などをあらわし、セロトニンとドパミンによる神経伝達を調整することによって統合失調症における陽性症状や陰性症状の改善効果をあらわすとされている。また本剤はD2受容体への機能的アンタゴニストとしての作用やセロトニン系への作用などにより、抗精神病薬で少なからず懸念となる体重増加や血糖変動などの代謝性障害や錐体外路症状などの軽減も期待できるとされる。
なお、本剤を含む抗精神病薬は、アルツハイマー病などの認知症における周辺症状(BPSD)のうち、主に過活動性症状(幻覚・妄想、せん妄、不安・焦燥、徘徊・多動など)の改善に使われることがある。特に本剤は行動障害(アジテーション:徘徊などの活動亢進、攻撃的発言・行動など)に対して有用とされ、実際、2024年に「アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)に伴う焦燥感、易刺激性、興奮に起因する、過活動又は攻撃的言動」に対して追加承認されている。
ブレクスピプラゾール(抗精神病薬)の主な副作用や注意点
- 精神神経系症状
- 頭痛、不眠、眠気、めまいなどがあらわれる場合がある
- 消化器症状
- 吐き気、便秘、食欲不振などがあらわれる場合がある
錐体外路症状 - アカシジア(じっとしていられないなど)、ジスキネジア、振戦などがあらわれる場合がある
- 悪性症候群
- 頻度は非常に稀とされる
- 他の原因がなく高熱が出る、手足が震える、体のこわばり、話しづらい、よだれが出る、脈が速くなるなどの症状が同時に複数みられた場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する
ブレクスピプラゾール(抗精神病薬)の一般的な商品とその特徴
レキサルティ
- ブレクスピプラゾール製剤
- OD錠(
口腔内崩壊錠 )の剤形があり、嚥下能力が低下した患者などへのメリットも考えられる
- OD錠(