エロビキシバット(胆汁酸トランスポーター阻害薬)
胆汁酸の輸送に関わる胆汁酸トランスポーターの働きを阻害し胆汁酸の再吸収を抑え胆汁酸の大腸への移行を促すことで、大腸管腔内への水分分泌や消化管運動を促進し便秘を改善する薬

エロビキシバット(胆汁酸トランスポーター阻害薬)の解説

エロビキシバット(胆汁酸トランスポーター阻害薬)の効果と作用機序

  • 胆汁酸トランスポーター(IBAT)という物質を阻害し、大腸管腔内の水分分泌や消化管運動を促進させることで便秘を改善する薬
    • 便秘は排便が順調に行われない状態で、特に慢性便秘では長期間その状態が続いている
    • 肝臓で合成される胆汁酸は大腸管腔内への水分分泌や消化管運動を促進させる
    • 本剤はIBATを阻害することで胆汁酸の大腸への移行を促す作用をあらわす

エロビキシバット(胆汁酸トランスポーター阻害薬)の薬理作用

便秘は排便が順調に行われない状態で、なんらかの原因によって腸の動きが弱くなっていたり神経機能が低下することなどによっておこる。お腹が張る、げっぷが出るなどの症状があらわれ、場合によっては高血圧や腸閉塞などへのリスクとなることも考えられる。

肝臓でコレステロールから合成された胆汁酸は胆汁の主な成分として胆嚢や胆管を経て十二指腸に分泌されるが、その多くは小腸で再吸収され肝臓に戻る腸肝循環が行われている。再吸収されなかった胆汁酸は大腸管腔内に水分を分泌させ、さらに消化管運動を促進させる作用などをあらわす。

エロビキシバットは回腸末端部の上皮細胞に発現している胆汁酸トランスポーター(IBAT:ileal bile acid transporter)を阻害し、胆汁酸の再吸収を抑制することで、大腸管腔内に流入する胆汁酸の量を増加させる作用をあらわす。これによって大腸管腔内への水分の分泌が増加し、さらに消化管運動を促進させることで便秘改善効果をあらわすとされる。

エロビキシバット(胆汁酸トランスポーター阻害薬)の主な副作用や注意点

  • 消化器症状
    • 腹痛、下痢、吐き気などがあらわれる場合がある
  • 精神神経系症状
    • 頻度は稀とされるが、頭痛、めまいなどがあらわれる場合がある
  • 肝機能検査異常
    • ALTやAST上昇などの肝機能検査異常があらわれる場合がある
  • 過敏症
    • 頻度は稀とされるが、蕁麻疹発疹などがあらわれる場合がある
  • 胆汁酸を吸着する薬剤との相互作用(飲み合わせ)に関して
    • アルミニウム含有制酸剤(スクラルファート、アルジオキサなど)、コレスチミド、コレスチラミンなどは胆汁酸吸着作用により併用することで本剤の作用が減弱する可能性がある
    • スクラルファートやアルジオキサなどのアルミニウム含有制酸剤は処方薬(医療用医薬品)だけでなく多くの市販薬(一般用医薬品)の成分として使われているため注意が必要

エロビキシバット(胆汁酸トランスポーター阻害薬)の一般的な商品とその特徴

グーフィス

  • 通常、1日1回食前に服用する