Rhoキナーゼ阻害薬
Rhoキナーゼという酵素を阻害することで眼圧を上げる要因となる眼房水の排出(流出)を促進させ眼圧を下げる薬

Rhoキナーゼ阻害薬の解説

Rhoキナーゼ阻害薬の効果と作用機序

  • Rhoキナーゼという酵素を阻害することで眼圧を上げる房水の排出(流出)を促し眼圧を下げる薬
    • 緑内障では眼の中の圧力(眼圧)が高くなり、視野が狭くなるなどにより目が見えづらくなる
    • 眼圧が高くなる要因に房水(眼房水)という体液があり、その排出(流出)にRhoキナーゼという酵素が関わっている
    • 本剤はRhoキナーゼを阻害することで房水排出を促す

Rhoキナーゼ阻害薬の薬理作用

緑内障は、眼球内部の圧力(眼圧)が高くなり、視神経が障害され、眼が見えづらくなったり視野の欠損などがあらわれる目の病気。

眼圧が高くなる要因として眼球を満たしている房水(眼房水)があり、この体液が多くなると眼圧が高くなり緑内障の発症・病態悪化につながる。房水の排出(流出)の主な経路として、線維柱帯-シュレム管を介した経路がある。

Rhoキナーゼという酵素は体内で収縮、増殖、遺伝子発現誘導など細胞の生理機能に関与していて、目においては房水排出などに関わり、この酵素を阻害すると線維柱帯-シュレム管を介した房水排出が促進する。

本剤はRhoキナーゼへの阻害作用により房水の排出を促し眼圧を下げることで緑内障の進行を抑える効果が期待できる。なお、本剤の特徴的な副作用として、点眼後の結膜充血(通常は点眼後に一過性の発現となる)があり、これはRhoキナーゼ阻害作用による血管拡張作用に基づくものとされている。

Rhoキナーゼ阻害薬の主な副作用や注意点

  • 眼症状
  • 過敏症
    • 頻度は稀だが、発疹紅斑などがあらわれる場合がある

Rhoキナーゼ阻害薬の一般的な商品とその特徴

グラナテック

  • 通常、プロスタグランジン関連薬やβ遮断薬などの他の緑内障治療薬で効果不十分又は副作用などで使用できない場合に使用する製剤